乗ってきました!SL人吉 その5

名物駅へ停車して旅はいよいよ終盤へ

一勝地駅 「おごっつお~うまかね~!」と、駅弁に舌鼓を打っている間に、列車は次の停車駅、一勝地駅(いっしょうちえき)へ到着!一勝地駅は、その名の通り縁起のよいネーミングから、駅名入りの入場券がお守りとしても大人気です。ホームでは、地元の方々による「球磨村ホーム市」が開かれていました。入場券はもちろん、地元の特産品も購入することができるので、たくさんの乗客の方々が列車を降りて、買い物を楽しまれていました。ちなみに入場券は1枚160円。私は欲張って2枚購入しました。何の勝利祈願かはヒミツです(^o^)

記念乗車証 10分間の小休止を終え、名残惜しくSL人吉に乗り込めば、ホームの人々が手を振ってお見送りしてくれました。さあ、旅の再開です!汽笛を鳴らして出発進行~!しばらくすると、SL人吉の撮影ポイントとして人気の、球磨川第二橋梁が見えてきました。先ほど紹介したもうひとつの「トランケート式」鉄橋です。通過する時は、音を体感するのも楽しみの一つ。心地よい揺れとともにSLの車輪と鉄橋の線路が擦れ合う音は大迫力!SLはその土地の人々に挨拶するように、ひときわ高く汽笛を鳴らします。旅っていいですねえ…。
再び球磨川を渡り、川を右手にみながら渡駅を過ぎると、球磨川から離れ山々に囲まれた盆地を進み、ほどなくして終点・人吉駅に到着しました。 約2時間半の旅でしたが、遊び心あふれるインテリアに風光明媚な車窓からの風景はもちろん、開業当時の趣を残す停車駅の魅力など見どころも多く、もっと乗っていたい!とわがままを言いたくなるほどでした。また旅情をかきたてる汽笛の音色や石炭の燃える匂い、素朴な駅弁なども加わってSL人吉の旅はまさに"五感で楽しむ旅"といってもよいでしょう。

人吉駅のとっておき、転車台を見に行こう!

さて、人吉駅にはもうひとつ、SLファンには見逃せないとっておきの見どころがあります。それはSLが方向転換する転車台(ターンテーブル)。人吉駅を一旦出て、くま川鉄道の乗り場へ行く陸橋をわたり、立派な石造りの車庫を見ながら線路沿いに歩くと5~6分で到着します。SL人吉が熊本へ折り返し出発する午後2時前後に方向転換するので、詳しい時間や場所は駅長さんに尋ねてみてください。また、転車台の前にある建物は資料館になっていて、SLに関する物が数多く展示されているのでこちらもぜひ見学していただきたいところ。鉄道観光案内人の方がいらっしゃって、とても親切に説明もしてくれます。

汽笛に耳を傾けながら「川線」の絶景車窓を楽しむSL人吉の旅。懐かしくも心温まる楽しいひとときで、何より100年という時を超え、今なお力強く走るSLにパワーをもらったような気がしました。皆様もぜひ極上の列車の旅をお楽しみください!
[文章:R.S カメラマン:T崎]