熊本県が誇る美しい清流・球磨川の傍らを、噴煙をあげながら走る蒸気機関車ーー。
今回ご紹介するのは「SL人吉」です。
「SL人吉」を走らせる「蒸気機関車ハチロク」は大正生まれ。大正時代は蒸気機関車の国産化が本格的に始まった頃でした。日本のSLの中では最長老ですが、力強さと優雅さを兼ね備えたその勇姿は、多くの人々を魅了してやみません。また、SL人吉が走る肥薩線は、「100年レイル」の愛称をもつ老舗路線で、鉄道遺産の宝庫。そんな魅力あふれるSL人吉をじっくりとご覧ください。

SL人吉 動画編

SL人吉 動画「乗車編」はこちら(19分29秒)
蒸気機関車SL人吉に乗車し、連なる山々と球磨川を望みながら、球磨・人吉地方の観光旅行をお楽しみください!

SL人吉が生まれるまで

「SL人吉」の客車を牽引する「蒸気機関車ハチロク(8620形)」58654号機は、1922(大正11)年に製造されました。最初は長崎の浦上機関庫に配置され、長崎本線をはじめ九州各地で50年ほど活躍して引退しました。その後は、熊本県の矢岳駅前の人吉市SL展示館で保存されていましたが、1988(昭和63)年に『SLあそBOY』として復活し、阿蘇の大自然を走る観光列車として人気を博しました。

肥薩線を颯爽と走るSL人吉 2005(平成17)年には、老朽化のため再び引退しましたが、肥薩線全線開通100周年を迎えた2009(平成21)年に、多くのファンに後押しされ『SL人吉』として2度目の復活を遂げました。 以来、美しい車窓が楽しめるレトロ感たっぷりのSL人吉は、九州を代表する人気の観光列車となっています。

停車駅と運行状況

熊本駅を出発して、6つの停車駅を経て人吉駅へ。坂本・白石・一勝地では比較的長く停車するので、列車を降りて風格漂う駅舎を見学することもできます。

運行は、3月~11月の概ね金・土・日曜日・祝日および夏休み期間中に一日一往復します。
詳しい運行状況はこちらでお確かめください。
JR九州熊本支社 SL人吉運行状況